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イノベーションのロスタイム

新規事業創出に関わる30代中盤・元外資コンサルが、仕事とそれにからめた遊びの話をします。

DMMはビジネスモデルが無いことが強み?

DMMの新社長片桐氏が「DMMにはビジネスモデルがないことが強み」と定義しています。

logmi.jp

ビジネスモデルがあるとなにが問題なのか。でかい資本にすぐ負けちゃうんですよ。例えば、動画ビジネスをやろうと思っても、Netflixにはなかなか勝てません(笑)。ああいった、ビジネスモデルがはっきりしていて、かつカルチャーじゃない世界には、必ずジャイアンみたいなヤツがいる。だから、うまく市場を選ばないと絶対にうまくいかない。

 

ビジネスモデルが無いことの大前提とは

「ビジネスモデルがない」という記事タイトルはやや留保が必要な気がします。DMMはコンテンツ囲い込み&定額課金ですし。

記事を読むと、ビジネスモデルとして成立する以前に、カルチャーとして成立する必要があるという前提があるようです。

pixivも、この記事に出てくるnana(知りませんでした)も、イラストレーターやミュージシャンのネット上の一つの文化を形成している。コミュニティと言っていいかもしれません。

「マネタイズポイントが明確になる前に、カルチャー(ネット文化)として成立する」

「カルチャーとして定着すれば、一定のユーザー数と利用率が保たれ、マネタイズが見えてくる」

「そしてカルチャーは資本で模倣することできず、競合脅威がない」

この3段階をもって、片桐社長は「ビジネスモデルがないがゆえに強い」という表現をされているのだと思います。

 

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「カルチャー」をめぐる覇権争い

そう考えると、今後のアプリやネットサービスは「カルチャーをめぐる覇権争い」に巻き込まれているといえるでしょう。単なるユーザーの課題解決やアンメットニーズの充足なんていうビジネスでは、すぐに模倣がなされてしまう。

しかし、カルチャー化したサービス、すなわちそれが生きるうえで当たり前でなくてはならない文化になってしまったサービスは強いです。

なぜなら、ユーザーのロックインが経済的インセンティブ以上のものでなされているから。コミュニティへの忠誠心とか、いわゆる愛着というものは家族と一緒で、合理的に同じ人を連れてこられたからと言ってそちらに乗り換えるという判断は普通しないからです。

 

pixivでコミュニティを兼ねたビジネスを運営してきた片桐氏らしい発想だと思います。

次にどんなサービスが登場するのか、今後のDMMは目が離せないですね~

秘密主義の終焉~Appleが人工知能研究グループに加盟

アップルが新たに加盟する人工知能の研究グループには、GoogleやAmazonのほか、すでにFacebook、Microsoft、IBMも参加しているとのことです。そう思うと、結構後発の参加ですね。他者の構成するプラットフォームには組みしないというプライドがそうさせたのでしょうか。

iphone-mania.jp

ニュースの意義・・・Appleの秘密主義の終焉

意義は一言で、「あの秘密主義のAppleが、自前主義をやめてオープンプラットフォームに参画した」ことでしょう。

その理由として、記事内では、秘密主義であるがゆえに、人工知能開発のKSF(というか、大前提である)「超優秀な研究者の獲得」が困難になっていることがあげられています。

ということは、このトレンドは不可逆ですね。

今後の展開はどうなる?…ハードに強い会社の参画が待たれる

一見大手は全部参加しているように見えますが、今後人工知能に関連したIoTの普及には、ハードウェアに強い会社の参画が不可欠だと思います。

まだMicrosoftくらいですよね(IBMってハード屋さんにカウントすべきなのかわかりません)

GE(たしかIoT標準化する団体を主宰していたはず)やCiscoがこの動きに賛同するか、で今後の趨勢が決まりそうですね!

 

【読書】世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール~入社数年後にこそ読んでは?

汎用性の高い本なので、コンサル入社前に流し読みしておくと役に立つと思います。

後にも書きますが、入社数年目の人もあえて「ざっと」宝探しのように読んだ方がいいです。

世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール

世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール

 

 2014年ラーニングエリート企業200社中第1位(米国の人材育成最高責任者向け情報誌「CLO」)に輝いた、世界最大規模の陣容を持つアクセンチュア。
同社組織・人材戦略の第一人者が、社外のトップビジネスマンや社内のコンサルタントたちの能力開発に活用してきた「成長のルール」を始めて解禁したのが本書です。
通常は10年かかるスキル習得を3年で得られる同社の育成の仕組みに基づいたノウハウがわかります。(amazon紹介ページより)

本書の特徴・・・一般論ではあるものの、そこに価値がある 

テーマごとに、コンサル従事者としての教訓が書かれているタイプの本です。

コンサル従事者からすると「そりゃそうだよね」ということがほとんどですし、あげられている事例・エピソード(「毎日1%でも成長すると複利で〇倍」「パラダイムチェンジの例としての逆さ日本地図」「石切り職人になにをしているのか尋ねる」)に特に目新しいものはありません。

ただ、本書の項目の網羅性は非常に高く、このレベルのことを「当たり前のこと」と思えるようになることがコンサルの第一歩だと思います。

とくに第5章「人間関係構築力を磨く成長のルール」は、コンサル入社数年たった今だからこそわかる「社内外への心配り」が伝わってくるよい章です。

読後の感想・・・コンサルは人間が商品という原則を振り返りさせられた

在庫も商品も持たないコンサルは人材が唯一の資産…というのは各ファームともに内外に出しているメッセージです。

ひるがえって、内部にいるコンサルはどこまでそれを理解しているのか。

もっといえば、我々コンサルどこまで「人間が商品であることを痛感している」のかは、まだまだと思わざるを得ない状況があります。

毎日人間として成長するだけでなく、その成長がお客様への付加価値向上につながっているか(人間として商品性が上がっているか)は、こういう基礎をしっかり述べた本を通してたまに振り返ったほうがいいなと思わされました。

(以前書いた記事。コンサルは、人の心のスキマを埋める仕事でもあります…)

innovation-losstime.hatenablog.com

 

 誰におすすめか・・・入社後数年目の人にあえて薦めます

コンサル入社前くらいの人におすすめですが、あえてコンサル数年目の人が読むのもいいと思います。

 ぱらぱら見てると「当たり前じゃん~」ってなると思いますけど、数ページに一度はハッと振り返りになる教訓が見つかると思いますよ!

コンサルの魅力は「数か月に一回転職」できること

あらためて、コンサルの魅力ってなんだっけ?

30代も半ば、コンサル業務は心身に応えますね…

そういいながらも、こんなしんどい仕事を続けていられる理由は何だろう、と考えてみました。

給料は悪くないけど、30台中盤でアソシエイトクラスだと、そんなに一般的大企業と大きく変わらない。

仕事の経験が濃密に詰めるけど、どんな仕事だってやり方次第で濃い経験は詰める。

そう思うと、コンサルじゃなければいけない理由って案外少ないんですよね。

だから結構、まわりの「30代中途仲間」たちも、いかに40になる前にエグジット(=コンサル以外の業界に転職するか)を画策しています。

「俺もあと何年この業界いるかな~」は新卒・中途限らずどんなコンサルタントも一度は口にするため息のようなセリフです。

 

では改めて、自分はコンサルの何に魅力を感じているのか?

知的好奇心が常に満たされるから

私がよく新卒セミナーとかで必ず回答する答えがこれです。

うちのファームでは、数か月に一度、まるで転職でもするかのようにまったく違う業界のプロジェクトにスタッフィングされます。

(※数年間同じプロジェクト、同じクライアントに張り付くタイプのコンサルティングファームもあるので、すべてこうとは限りません。要確認ですが・・・)

 

それはほとんど、「数か月に一回転職している」ような状況です。

新しい上司と仲間、新しいお客様、知らない土地、初めて見る業界特有の施設(工場や倉庫、研究所etc)と関わることになります。

コンサルをしてお客様をご支援する、ということこそ変わりませんが、目にするもの、通勤場所、普段の話し相手、全てが変わります。

これはやってみるとわかりますが、結構楽しいです。

同い年の人間からすれば、10倍くらい転職を繰り返している格好ですね。

 

もちろん人間って新しい環境にはストレスを感じる動物なので、当然常にストレスを感じることになります。また、数か月に一度業界が変わるということは、業界知見もその都度リセットされるということです。(コンサルのノウハウは積みあがるけどね)

そういう状況が苦手な人には、消耗する仕事かもしれません。

 

ただ、知的好奇心が純粋に強いタイプ、「キャリア設計とかどうでもよくて、とにかく知らないことに触れて知っていくのが楽しい」という、まるで子供のようなワクワクが少しでもある人にとって、このコンサルという仕事は超楽しいと思います。

 

一見興味がないと思っていた業界でも、そこにお客様がいて、信頼関係ができてくると、まるで身近な業界に思えてきます。

そういう業界が数か月に一度増えてくると、日経新聞のどこを見ても「あの専務だったらこのニュース反応するだろうな~」と、全てに関心を寄せることができます。

 

こんな状況に興味がある方は、コンサルに向いてます!

できれば早めの転職をお勧めします笑

(参考記事。できれば、30代前半までに転職しておいたほうが得かな~と思います)

innovation-losstime.hatenablog.com

(コンサル中途入社考)30歳超えての中途入社はあまり勧めない

自分自身、コンサルに30を超えて入社し、数年が経過しています。

いまや30台中盤となり、なかなかの高年齢層になってきたと自覚しています。

そんな私が、自らを振り返って「30超えての中途入社は、結構きついな~」と思うことがありましたので、書いてみました。

30中盤~後半くらいで、入社年次が数年のコンサルの現状ってあまり情報が手に入らないと感じていたんですよね。

 

前提として、「30台前半で、ジュニアクラス~アソシエイトクラスへの未経験転職」を想定しています。

※いわゆる管理職(プロジェクトリーダー・パートナークラス)への転職はまた話が違うので割愛します。

 

身体的なしんどさ

これは一般的によく言われてますね。

最近は各社で労働時間是正が進んでいるとはいえ、往々にして労働時間が伸びがちな業界であることには変わりません。

特に直属の上司が、「疲れを知らない、頭脳も体も24時間ハイテンション」(大体新卒プロパーでプロジェクトリーダーまで最速で昇りつめた人に多いタイプ)な方になると、深夜に打ち合わせが設定されたりとなかなか消耗します。

私は 33歳くらいからかな、徹夜がまったくできなくなったんですね。

仕方なくする日もあるんですが、次の日はまったくもって最低の仕事ぶりです。

コンサル入って最初の数年って、どんなに効率よくやったところでキャッチアップに時間がかかるんですよ。調べもの、スライド作成、議事録作成、お客さんへの調整メール作成(地味に大変)とか。気づくと結構な時間たってるし、いわゆる仕事術で時間を短縮しても、空いた時間で資料の読み込みを進めたりしてしまう。

数年もすると、手の抜きどころというか、重要度の高いポイントが見抜けるようになるのですこし肉体的には楽になるのでうが、そういう「不可避的に肉体がきつい数年」は、正直20代後半までに終わらせておいたほうがいいかな、と思います。

 

精神的なしんどさ

事業会社とコンサルとで、精神的なプレッシャーに大きな違いはないと考えています。

ただ、精神的重圧の「種類」が違うと思うんですね。

「昨日までまったく知らなかった業界の人に、価値あることを言わなければならない」というのは、コンサル特有のしんどさだと思います。

この重圧は当然新卒であれ、コンサル中途入社のボリュームゾーンである「20台後半くらいの人も全員味わうものです。

しかし30以降の中途は特にこのしんどさを体感することになります。

というのも、お客様から見れば年齢や所作から相応の経験を積んで見えるわけですから、「それなりに経験のあるコンサルタント」という期待値が高いんですよね。

先週入社したばかりなのに、社内会議でも、クライアント会議でもなにか価値のあることを言わなければならないプレッシャーが凄い。

(このあたり、うまいごまかし方がないわけではないですが、本稿では割愛します)

 

それでもなお、コンサルへの転職価値はあると思います

とまあ、しんどいという理由から30歳以降の中途入社を否定的に書いてきました。

しかし上記を理解したうえで飛び込むだけの価値はあると考えています。

事業会社では味わえない、コンサルをやっててよかった!と思う瞬間が必ず来るからです。それについては別記事でゆっくり書いていこうと思います。

肉体的・精神的につらいことは不可避なわけですが、それゆえに「自分の体を守るために、仕事をどうやって効率的にするか」「お客様からの高い期待に応えるため、どうやって付加価値をつけていくか」を24時間意識することで、飛躍的に成長ができます。それは、コンサル業界以外でも必ず役に立つことです。

 

最後に、いまコンサル中途入社組でしんどい思いをしている方へ

そして、いま中途入社1年くらいのコンサルの方々の中には、さぞつらい思いをしている方がいると思います。少なくとも私はそうでした。

毎日胃腸は痛むし、自分の頭の良さに限界があることを痛感させられるしで、週に一度は「もう辞めよう・・・」と思う日々でした。

いまも、根本的な問題が解決したわけではありませんが、何とかそれなりにコンサルタントとしてやっていけています(プロモーションもうまくいきました)。

 

あわない仕事を無理に続けても仕方はないのですが、それでも科学的な努力を積むことでどんな人でも、人様から対価の頂けるコンサルタントになることができると思っています。

しんどいのは当然と思って、お互い頑張っていきましょう!業界の片隅から応援しています!

コンサルは〇〇の数でパワポのデザインを決める

この記事が、コンサルが入社2日目に習うスライドルールをかなり網羅しています。

ちょっとこの記事の重要性について補足します。

tomoyukiarasuna.com

 

こういう記事は過去にもたくさんあったと思います。

資料はシンプルにしたほうがいい、それくらいはみんな知ってるわけです。

では、「シンプルにする」ことの大前提とは何でしょうか?

あるいは、「スッカスカの資料」と「シンプルな資料」の最大の違いは何でしょうか。

 

ここで、私がデザインを決めるうえでいつも念頭に置いている言葉があります。

「論点の数がデザインを決める」

 私が中途入社で、パワポ(スライド)のデザインがいまいち決まらずに困っていたころ、先輩からもらったアドバイスです。

つまり論点がクリアになったうえで、その論点がいくつあるかでデザインはほぼ決まるんですね。

だから上記の答えは、「シンプルな資料は、論点の数が明確になっている」が答えです。だから言いたいことが明快になるので、それ以外のことは全部落としていいわけなんですよね。

 

例を挙げてみましょう。

「御社はA事業を売却すべき」というメッセージに対して、論点が2つある場合を考えます。

そしてメッセージを支える以下2つの論点に「YES」が言えている場合です。

①(内部環境の論点)A事業の◇率は社内での事業維持水準を下回っている

②(外部環境の論点)A事業を含む市場規模全体は縮小傾向にある

 

この論点は二つあり、対立している。ここからメインのメッセージ「売却すべき」が導かれているから、

必然的にパワーポイントのスライドは「相反する論点が二つ並んでいるデザイン」が最もシンプルかつ適切なデザインとなります。

(ざっくりイメージ)

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※この形、「リボン型」と呼びならわしたりしますが、 某リクルート社の社内用語らしいんですよね…ただ、リク社の場合はサービスの「提供者」と「需要者」の対立があり、その結び目にリクがいる・・・という意味らしいので厳密には違いますね。

 

一番伝えたいことをいかに的確にとらえるためには

紹介した記事の中に以下のような記述がありました。

最も重要なのは「一番伝えたいことをいかに的確にとらえるか」です。いくら図が美しくても、内容が伝わらなければ意味がありません。

・・・

スピーディーに情報を伝えるためには、何よりも「シンプル」であることが重要です。シンプルをもう少し具体的な言葉に落とし込むとすれば「要素やルールが少ない」と言い換えることができます。文字サイズ、色数、線の種類、線の細さ、マージン、形などなど、すべての要素において最低限のルールで作成することが、シンプルさ、分かりやすさにつながります。

 この記述自体、コンサルの人は毎日先輩に怒られる内容です。それくらい、知っていてもなかなか実践できないことです。

著者が述べるように「一番伝えたいことを的確にとらえている」が大前提になるのですが、それもなかなか訓練が要ります。

 

「自分の伝えたいこと」とは、「クリアになった論点とその数」で決まります。

これが明確になっていないまま「シンプルにするぞ~」とはりきってみても、ただただ「内容も色も文字数も少ない、スカスカのスライド」になってしまいます。(初めてパワポ触った大学生状態・・・)

 

素晴らしい記事だと思うので、もしコンサル志望の方、あるいはコンサルに中途入社してデザインに七転八倒している人がいたら、以下の思いを巡らせてみてください。

「そもそも言いたいことってなんだっけ?その根拠になる論点(答えを出す必要のある問い)はいくついるんだっけ?」

パワポのオートシェイプと格闘したり、備え付けのPPT下書きノートに鉛筆で格闘をするまに、上記の問いに決着をつけておきましょう!

その孤独は金になる。心のスキマを埋める仕事とは。

ビジネスはスキマを埋めていく

ビジネスの多くは余ったスキマを埋めていくものです。

この世には、何にも使われずに余ったままの空白が、手つかずに放置されている。
ビジネスモデルの多くが、そんな余った空白を埋めていくことで成り立っていることは周知のとおり。
 

余ったスペースや車のシェアリング(Uber,Airbnbなど多数)

余った時間を再利用する(居酒屋の昼営業、ホテルのデイユース化など多数)

余った人を活用する(シルバー人材の活用など)

空白はあらゆる稼働を上げることによって満たされていく。
知恵という知恵を使って、もう埋められないスキマはないんじゃないかというくらいに。
 
・・・という会話を、先日個人コンサルタントとして独立して20年になる社長としていたんですね。
自分にとっては父親くらいの年齢の方です。
 
で、話はコンサルタントの歴史にもつながりました。
______
・コンサルの機能も変化・進化している。
20年前は「先生業」でよかった。
やがて先生であること、すなわち一定の知識があり、一定の方向に主体的にリードすることは当たり前に求められるようになった。
 
・そして10年前くらいからは、先生であること以上に「経営企画室のスキマを埋める」ことが優先された。
経営企画室の若手~中堅を務める世代が、就職氷河期と一致していたことで圧倒的に層が不足していたことを背景に、経営企画業務の多くが外注されており、いまもその傾向は続いている。(大手コンサルでなくとも、個人コンサルはこの業務で結構食べていくことができた)
 
・そして現在、ありとあらゆる業務での人手不足から、コンサルは先生であることはもはや求められず、人材派遣業であることと同義になりつつある。それは自分としては面白くないため、派遣要素のある案件はあまり受けないようにしている。
(年齢的にも、作業ベースになりがちな高級派遣業はしんどいものがある)
______
 
・・・ここまではよくあるコンサル論だが、なるほどと思ったのは以下の点だ。
 

彼が長年コンサルタントを続けていられる理由とは 

・それでも自分がコンサルを続けられているのは、社長や経営企画部部長の「心のスキマ」を埋めているから

社長の心のスキマとは何だろう。なんだか、指を「どーん」と突き出すセールスマンが思い出されるが・・・
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もちろんシンプルに、社長やリーダーは孤独だからという理由を挙げることは簡単だ。
 
多くの社長は、その心中を軽々とほかの人に話すわけにはいかない。社内の腹心にだって話せないし、家族や社外の友人に話したところで、どこから漏れてしまうかわからないし、そもそも理解もしてもらえないだろう。
社長はただ秘密の話ができればいいというものではない。
そこに何らかの理解があり、そして秘密の話を吐露することによって何らかの発見がなくてはならない。
 
すなわち、社長の孤独は明文化され、評価を与えられる必要がある。
 

 社長の孤独へのサービス・ベンダーはだれか

それでは社長の心のスキマを特定し、それを言語化する、あるいは社長が言語化するのを手伝ってあげる職業とはなんだろうか。
 
彼は断言する。
社長の心のスキマを埋められるのは、占い師と、愛人と、コンサルだけやね
 
この列挙が漏れのないものなのか私にはわからない。だけど、なんか網羅されている気はする。(愛人はなんか満たしているものが違う気もするが・・・)
「で、仕事の細かい話が合わせられるのはその中でもコンサルだけだから、自分は重宝される。その辺の勘所が分かってないコンサルがとっかえひっかえされるのを見てきた」
 
だとすると、コンサルが付加価値を得ていくプロセスは以下の2点が主流になるのかもしれない。
・高級派遣業者として徹し、クライアントの経営企画業務を上位互換として実施する
・クライアント発注者の孤独の正体を特定し、それを言語化する必要不可欠なパートナーとなる
 
後者は、いわば「専属の教誨師」になることと言い換えられるだろう。
 
コンサルは、カウンセラーや怪しげなヒーラーたちと競合していく方向性があるともいえる(それをコンサル自身が望むかは不明だが・・・)
芸能人が整体師にいいように操られるニュースも、同じ構造なのかもしれない。
 
ただ厳然とそこには二人の人間がいる。
一人は満たされない孤独とスキマを抱えている。
もう一人は、それを埋めることができる、自分だけがそれを理解して聞いてあげられるという顔をしている。
 
この2者がマッチングする限り、その孤独には値段が付くのだ
 

自分の仕事は、誰の孤独を埋めている? 

おそらく自分も、無意識にしている消費のうちの多くは孤独を埋めようとしている。

自宅に直行せず、サウナや漫画喫茶に寄ってしまう。同僚ととくに名目無く飲んでしまう。kindleで漫画をまとめ買いしてしまう。
そこには、仕事でも家族でも埋まっていない無自覚な孤独があるのかもしれない。
(無駄遣いを格好いい言い訳でごまかしているようにも見えるが・・・)
 
ただ、孤独の正体が分かれば、そのプライシングはおのずと可能になります。
ビジネスは孤独に値段をつけるところから始まるのかもしれません
私は、誰の孤独を救済しているのだろうか?・・・を振り返ってみたいと思いました。
 
孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春文庫)

孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春文庫)

 
 ↑中島義道の名著。