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イノベーションのロスタイム

新規事業創出に関わる30代中盤・元外資コンサルが、仕事とそれにからめた遊びの話をします。

【読書】『華麗なる微狂いの世界』~この世は狂った者勝ち?ソシオパスと成功者

ビジネスも「この世の中、狂ったモン勝ち」なのか!?

基地の外にいる人を語らせたら随一の小説家、平山夢明のエッセイ集最新刊「華麗なる微狂い(びちがい)の世界」が出ていた!

  

華麗なる微狂いの世界

華麗なる微狂いの世界

 

 

相変わらずの平山節が炸裂したナイスな一冊です。大変に人を小ばかにしたような表現が続くのですが、平山エッセイの魅力はそんなでたらめな文体の中にキラリと光る心理が潜んでいることです。

 

人と人とがコミュニケーションをとるとき、そこでトラブルがあると、善性の高い人は相手を理解しようとする作業に入るんだよ。

でも、それがキ〇ガイ相手だと、一方通行。だから善意の人は負けてしまう。

誠実な人間、約束を守る人間が幸せになれる世界じゃないんだよ、日本は。

むしろ、奴隷認定されちゃう。

(「華麗なる微狂いの世界」第4章より ※本文は〇印の修正なし)

こことか「コミュニケーション能力」の前提部分を語ってますよね。

コンサル業界でも、たしかにコミュニケーション能力は重視されます。それは「Qに対してAで答える」みたいな基礎から始まって、「相手の要求を構造化して示してあげる」みたいな応用編まである。

ところが、「そもそもコミュニケーションを取る気がない相手」と向き合うと、新卒コンサル君なんかはショートしちゃうんですね。または私みたいに、中途だけど妙に四角四面な人なんかもこういう相手に苦労しちゃう。

お客さんにも、社内にもコミュニケーションが断絶した相手というのは一定数います。

「そもそもまったく違う議論の前提を押し付けてくる上に、譲る気がない」

「そもそも出したい結論が一つだけ決まっているらしく、ディスカッションが成立しない」

「だけど妙にイキオイはすごいから、こちら側(自分含む)が完全に気圧されてる」

みたいな状況、オーナー社長やたたき上げでコンサルのパートナーに昇りつめたタイプとかに多いです。

 

自分の周りを見渡しても、「成功したソシオパス」が多い

普段は気さくで触れ合いやすいけど、ふとした瞬間に「まったく会話が成立しない」ことが判明してしまう。新卒君(ひとくくりにするのもあれだけど)をメンタルで通院させてしまうのは社内外問わずこういうシチュエーションです。

こちらも四角四面に正論をぶつけようというわけではないけど、そもそも相手側にこちらを理解しようという姿勢がないことが分かると、人はけっこう消耗しちゃうもんです。「この人、人の話なにも聞いてないし、今後も聞いてくれないんだな・・・」と。

(ちなみに私は十二指腸を痛めました・・・)

 

じゃあそういう人が社会人としてだめなのか、というと少なくとも客観的にはそうじゃないんですね。上にも書いたように、社会的地位はかなり高い人が多い。

「人の話を聞かないくらいじゃないと、上に行けないんじゃないか?」と悩んだ時期もあるくらいです。

個人的には、そうとは信じたくない。他者とのコミュニケーションを断絶してなんらかの成功がえられても、それは持続的な状況ではないと思うからです。

ただし、数多くの基地の外にいる人を見てきた平山氏は言い切ります。

 ハッキリ言います。この世の中、狂ったモン勝ち。

「成り上がり」じゃなく、「キチ上がり」を目指して

みんな、キチガイになろうぜ

(同書)

 ・・・ここまで言い切られると気持ちいですね。

社会的なサイコパス=ソシオパスが成功しやすいと断言している。

 

この世は狂った者勝ち、ならばどう生きようか

じゃあ自分も狂っちゃうぜ!狂わなきゃ損だもんな・・・とはならないよね。自分の場合。

だから、せめて自分を無にするスイッチくらいは身に着けておくといいだろう。

まともに相手すると、自分の論理回路がショートしちゃうくらいなら、一回OFFにしておいたほうがいい。

前頭葉と反射神経だけで会話をこなし、「ああ、なんかとんでもない人と会話したな」くらいの感覚だけが残るように自分を鍛えていきましょう。

(まあ、無駄なスキルだからさっさと逃げるのが本当はいいんだけどね)

 

・・・そんなことを考えさせられるほどに、人間のうっすらとした狂気について面白おかしく考察している本です。

もしかしたら、下手なビジネス本とか、コミュニケーション本を読むよりも仕事の役に立つかもしれない。

自分がちょっと真面目で、周囲とどうあわせていいかわからない若者には、特におすすめ!!

 

華麗なる微狂いの世界

華麗なる微狂いの世界