イノベーションのロスタイム

新規事業創出に関わる30代中盤・元外資コンサルが、仕事とそれにからめた遊びの話をします。

新規事業をざっと把握できるおススメ本(新規事業担当者向け)

新規事業の検討が増えている

新規事業の検討をお手伝いすることが、ここ数年で飛躍的に増えてきました。
ベンチャー企業が増加していてそのお手伝いを、というよりは
いわゆるレガシー企業が「新たに何かやらなくては!」と検討を開始されるケースです。
規模は大企業から零細まで、場所も東京から地方の郡部までと本当に様々です。
 
背景にあるのは、既存事業(コア事業)の伸び悩みであったり、
既存事業そのものは現状順調であるが10年後の外部環境を見据えると不安…という場合のいずれかに分類されます。
(本当は、伸び悩む前にご相談いただきたいこともあるのですが、まあそこはご縁ですから・・・)
 

「新規事業がざっとわかる本」を求める若手の方

で、プロジェクトとなると経営企画部かそれに準ずる部署の部長クラスと若手(入社3~5年目くらい)、というチームが配置されます。
そして若手の方が事務局とか社内調整をご担当されるわけですね。
経営企画部で新規事業プロジェクトにも声がかかっているわけですから、当然優秀なわけです。ディスカッションのまとめも見事ですし、どこまでを社内で進め、どこまでを我々外部に任せるかの線引きもきちんと判断されます。
※昨今新人の質が下がっているなど言われがちですが、若い層の「上澄み」のレベルは年々飛躍的に上がっているというのが正直なところです。。。このあたりの現象は改めて別の機会にまとめたいですね。
 
 さてそんな優秀な若手層の方から「新規事業の進め方をざっくり学べるような本とかサイトありますか?」という質問をよく頂くことがあります。(本当、勉強熱心)
 
そこで「自分(kensho)が読んで良書と思って薦めて、かつ先方からも『良かったです』とフィードバックがあった書籍」を以下で紹介します。
 

新規事業をざっと把握できる3冊

■新規事業・成功の<教科書>

 

新規事業・成功の<教科書>―200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教える

新規事業・成功の<教科書>―200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教える

 

 【この本の良い点】企業内で新規事業を考える際の懸念点が網羅されている

→とくに組織設計に関する考え方は非常に丁寧です。

新規事業専門部署の設立から、そのPLの位置けまできちんと解説されています。

「新規事業のために立ち上げた部署が、トップに守られず反対派によってスポイルされてしまう」といった(悲しい)あるあるにも触れつつ、ではどうしたら良いのかが実感を持って書かれています。

→新規事業のプロジェクトにいきなり任命された若手の方も、これを読んで「心が楽になった」と言っていました。おそらく、著者の方の見守るような人柄がうっすら伝わるからではないでしょうか(もちろん、心が楽になるだけでなくて実際にためにもなりますよ!)

 

■オープンイノベーションの教科書(やや大企業の方向け)

 

オープン・イノベーションの教科書

オープン・イノベーションの教科書

 

【この本の良い点】明解なプロセス解説

ややバズワード化しつつあるオープンイノベーション。

そこそこのサイズの企業になってくると「うちもオープンイノベーションを検討せよ」という超ふわっとした指示が降りてくることがあります。(その是非はここでは問いません…)

じゃあオープンイノベーションとやらを検討することになった若手は途方に暮れるわけですね。「検討ったって、いったい何をどうすればいいんだ…」と。

この書籍は、「オープンイノベーションはどのようなプロセスで進めるべきか、なぜその順序で進めるべきか、何に気を付けて進めるべきか」がきちんと整理されています。

具体的には

①「社外に求める技術選定」(技術ニーズの棚卸と優先順位付与→求めることの明確化)

⇒②技術探索⇒③技術評価⇒④技術の取り込み(第3社の活用や戦略の落とし込みまで)

という感じです。
特に③の技術評価の記述とか細かくて面白いですよ。
「評価が難しい場合は相手の力量を試す質問をすべし」とかあって、その際のキークエスチョンの例までかかれています笑
自社の上層部が「オープンイノベーション云々」言い出していたら、この本を熟読しておくと若手でも場を支配できると思いますよ!
 
■ビジネスモデル・ジェネレーション(内容というか、フレームワークを使います)
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

  • 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2013/10/03
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
 

【この本の良い点】使い勝手最強レベルのフレームワーク

定番ですね。

これに出てくる「ビジネスモデル・キャンバス」は何だかんだよく出来たフレームワークだと思います。新規事業の需要な要素を網羅しているという意味で。

穴埋めだけでビジネスモデルがいったん出来上がるという簡便さも魅力です。(しかし、その穴埋めこそ一番頭に汗をかくところだったりします)

新規事業でワークショップやりましょうとなったら、結構このフレームワークを使います。

そしてそのA41枚を埋めていただく際に、日ごろ物を考える癖のある無しがだだ漏れになってしまう残酷なツールでもあります笑

適当に参加している部長さんよりも、真剣に事業に取り組んでいる若手のほうが、詳細かつ具体的な(そして経営側に腹落ちしやすい)キャンバスを書いたりします。

ワークショップだけに参加して、ものすごいポテンシャルを発揮した若手が、いきなりプロジェクトに組み込まれたこともあります。

それくらい、事業の良しあしの判定にも使えますし、使う人の力量がはっきりするツールですね。

(書籍は買わなくても、「ビジネスモデル・キャンバス」で検索すれば解説サイトがたくさんあるのでそれを見ればいいと思います)

 

さてとりあえず三冊紹介しましたが、どちらかというと企業内新規事業(Corporate Venturing)のご担当者向けな感じですね。

これ以外にもいろいろありますので折をみて紹介します。

とはいえ、新規事業なんて手を動かしてナンボの世界。あまり予習しすぎてもいけないのでこの3冊ぱらっと読むくらいでいいと思います。

 

それではまた・・・

kensho

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