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イノベーションのロスタイム

新規事業創出に関わる30代中盤・元外資コンサルが、仕事とそれにからめた遊びの話をします。

漫画「そせじ」(山野一)感想 ~泣けた!半額焼きそばに子供は親の愛を見る

漫画家山野一の、いわゆる子育てコミックです。伝説の漫画「四丁目の夕日」で見せた凄惨・残虐な描写はなりをひそめており、
昼間から酒を飲む父(でも面倒見はいい)と、素直な双子のおりなす、ハートウォーミングな家族の点景が描かれます。

 

そせじ(1)

そせじ(1)

 

 

そんななか、ある小さなエピソードが目を引きました。起こったことは単純です。

・父(作者)がお祭りで売れ残りの焼きそばを二つ買うと、双子は多いに喜ぶ
・だがそこに双子の大事な親友がいたため、父は焼きそばの一つをその友達にあげてしまう。
・すると双子のうち妹が不機嫌になり、やがて泣き出してしまう。
・つい先程も、貴重なおやつをこの友達に分けたばかりで、そのときは何も言わなかった妹が、焼きそばを失ったことでは多いに泣いている

 

起こったことはただこれだけです。
おやつは分けても平気だけど、焼きそばを友達にあげてしまったことが、妹にはなぜそんなにショックだったのか。

妹は泣きながらその気持ちを父に語るのです。

妹「たべものは お友だちにわけてあげなくちゃいけないってしってるよ
だからさっきニクピック(※ジュースのこと)をあげてもおこらなかったでしょ

ねずみこく(※ディズニーランドのこと。友達に自慢されたばかり)にいけなくてもいいんだよ
おとーちゃん、いつもなんも買ってくれないでしょ」
父「うん」
妹「でもあのやきそばはおとーちゃんがかってくれたんだよね」
父「半額の半額の半額だったからね」
妹「だからハナちゃんとミミちゃんだけで食べたかったんだよう」
父「そーかー」
妹「だってふたごだけがおとーちゃんのこどもだから」

…焼きそばは滅多にものを買ってくれない父親が自分のために買ってくれたものだった。だから、それは大事な友達にもあげたくなかった、というわけですね。
大人からすれば、「なんだ、そんなことか」となってしまいそうな、ささやかな理由です。

だけど子供にとっては、親が自分のために何かをしてくれたことがこんなにも大きなことなんですね。
子供はいつか、親の愛なんてあって当たり前のように振る舞います。
でも小さい頃は、半額の焼きそばでもそれが嬉しくて、誰にも渡したくない時がある。

 

公園の片隅でかわされた、本当に些細な会話なのに、正直ちょっと泣けてしまいました。

…でもこの妹の話を聞いていた双子の姉は、あっさりと「なに言ってるのかぜんぜんわからない」と一蹴します笑


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引用元「そせじ」第二巻より

このあたりの子供同士の感覚のズレもリアルだなーと。

これ以外にも、読んでて楽しくなるエピソードがたくさんあるので、かなりオススメです。とにかく双子がかわいいです。

 

そせじ(1)

そせじ(1)

 

 今のところ二巻まででてます。

 

四丁目の夕日 (扶桑社コミックス)

四丁目の夕日 (扶桑社コミックス)

 

↑伝説的なカルト?漫画。

三丁目の夕日を思わせるタイトルながら、一人の青年の凄惨な生活を描写します。

個人的にはグッドエンドだと思っています。小さな幸福の予感だけを残して終わる、綺麗なラストでした。