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イノベーションのロスタイム

新規事業創出に関わる30代中盤・元外資コンサルが、仕事とそれにからめた遊びの話をします。

コンサルが速読できるシンプルな理由

コンサル 読書

コンサルやる前から、速読術には結構お金と時間を使ってきたんですよ。

ただ、コンサルという仕事をしたら、「速読術のカラクリ」みたいなものがわかってきたので解説します。

 

「コンサルはなぜ速読できるのか」答えは単純で、先に言っとくと「速読の正体は仮説検証であり、コンサルはそれに慣れてるから」です。

 

速読本が共通して言ってること

これまであらゆる速読本を読み漁り、フォトリーディングのセミナーにも参加しました。

 

[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める

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  • 作者: ポール R.シーリィ,神田昌典,井上久美
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2009/11/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 7人 クリック: 63回
  • この商品を含むブログ (34件) を見る
 

 

↑速読本の原点であり、よくも悪くもこれ一冊でいい速読術へのアプローチ紹介本です。

 この本のヒットの前後にも速読本はあったし、これからも形を変えてあれこれ出てくるでしょう。

でも基本、速読本が言ってることはおよそ以下のようなことです。

 

  • 全部読むな、読みたい箇所だけ読め
  • 読みたい箇所とは、事前に知りたいことや興味を持っていることについて書いてある箇所のことだ
  • 一度で読みきるな。何度も読め(接触頻度を増せ)
  • 内容は無理に記憶しなくていい。気になった箇所と全体の構成だけなんとなく印象が残ればよい

 

…これって要するに、「仮説検証をその本でやれ」と言ってるだけですよね。

速読の正体は「仮説の有無」

つまり速読とは、事前に立てた予想や仮説について、高速に検証、確認している読書の一スタイルにすぎません。

  • 「日頃からこんな疑問があって、こういう答えなんじゃないかと思ってるんだけど、このタイトルの本なら何かヒントが書いてそうだな」
  • 「目次見ると、第3章に書いてそうだな」
  • (該当箇所読んだあと)だいたい考えてた通りだったなーでも理由付けが思ってたんと違うな。一応前後の章も軽く目を通すかー
  • (前後の章を少し確認後)なるほどね、そういうこと背景がこの問題にはあったのね。うん、読んで良かった!(読書終わり)

これはやや単純化しすぎですが、いわゆる速読というのは上記なような姿をしてます。すなわち、「こんなことが書いてるんだろうなー」という仮説思考です。

これとは逆に「なんか知らんけど面白そうやなー」くらいの姿勢で読書に望んでも、事前仮説がなくてベターっと頭からだらだら読むから時間がかかるんですね。

仮説を持たずに臨む読書や人との会話は、どんなに瞬間的に楽しくても何も自分に残らない・・・つるっとしてるんですね。新しい知識や考え方が滑っていくイメージ。

 

でも、浅いものでも仮説を準備しとくと、それが当たっても外れても本の内容が印象に残ります。

たとえ浅い仮説(自分なりの根拠づけもあやふやな仮説)であっても、「きっとこうではないか?」という頭で臨む読書はなんらかの知識や新たなる仮説を引き付けます。なので僕は「仮説思考とは頭が粘着質になっている状態」とたとえています。トリモチみたいに、動き回るたびにいろいろぺたぺたくっついてくる状態ですね。

 

だから仮説ドリブンの読書=速読って、すごく時間の費用対効果がいいと思います。

多くの速読本が手を変え品を変えて仮説思考を持てと言ってるのはそういう理由があるからと思います。

上記のフォトリーディングの本も「問いを持ってぱらぱら流し読みせよ」という章があるのですが、同じことを言ってるなと思うようになりました。

そういう意味で速読本はいわゆる「モテ本」と同じ構造かもしれません。同じ事(聞き上手になれ!とか)をいろいろ変奏してるだけという意味で。

とりあえず、速読のトリックは単なる仮説検証だよという話でした。

 

仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法

 

↑仮説思考って何?という人にとって最強の入門本です。内田本はコンサル本のなかでも中道というか、汎用性が高いものが多い気がします。

 

以下は余談です。

 

あくまでも、数ある読書方法のひとつであることには注意

最後に補足ですけどね…ここまで速読語っておいてなんですけど、こんなの本当にただのテクニックなんです。必要なときに必要な部分だけをつまみ読みして、それを速読と言い張っているだけです。皆さんも雑誌やらまとめサイトをざざっと眺めてるとき、同じ事を無意識にしてると思います。

 

読書には、何十年をかけて古典を味わう読み方もあれば、コンサルや立花隆みたいに短期間で関連本を広く浅く読んで仮説を作ったり修正したりする読み方もあります。

 

読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 (文春e-book)

読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 (文春e-book)

 

 どれが正解というものはありません。

例えば私は西脇順三郎の詩が凄く好きなんですが、もう何十年も同じ詩集を、活字の一文字一文字を愛でるように読み返してます。そこには効率性も仮説もありません。活字に浸る時間があるだけです。 

西脇順三郎詩集 (岩波文庫 緑130-1)

西脇順三郎詩集 (岩波文庫 緑130-1)

 

 また、仮説ベースで読むといったって、そもそも初めて読む分野の書籍などは、「検証すべき論点そのものを知る段階」だったりします。そんな時は自分のなかに妙な予断を持たずに読んだほうがいい時もある。

 

いろんな読み方があっていいと思います。一ページ読んで本棚に戻そうが、一生かけてなめるように全文を読もうが自由なんです。

 

一番良くないのは、学校の国語教育の弊害かもしれないのですが「本は頭から最後まで読んで、内容をそれなりに頭にいれておくべき」という一種類の読み方にとらわれていることです。

速読は本への冒涜と思っている人もいます。

 

「こうしなければならない」と思っているときに、人の脳は萎縮していいパフォーマンスが出せなくなると思っています。

今回はそんな人むけに、いろんな読み方があるよ、速読だろうと遅読だろうと、目的に合わせて好きに選べばいいよ、そして速読は大したものではなくて単なる仮説検証だよーということが言いたくてつい気持ちが入ってしまいました。

 

という訳で、なんかおもいっきり話が脱線した気がしますが、また後日。

カズレーザーの強い知的好奇心が見えた数秒

仕事術・考え テレビ

この間ロンハーで「カズレーザーがいい人」であることを検証するドッキリが行われていました。
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企画の意図通り、「タクシー運転手に何を聞かれてもフレンドリーに答える」とか「飲み会で一般人から一緒に飲もうと誘われても断らない」とか「交流のない先輩から借金を持ちかけられても快諾する」など、いい人というか、彼の素直さが浮かび上がるものでした。

ただ、私が反応したのはもっと別の場所でした。「この人(カズレーザー)って、本当に知的好奇心が強いんだな」と思わされた会話がありました。

 カズレーザーの些細な一言

会話の状況はこうです。

・飲み会のさなかに、知らない会社員グループ(仕掛人)から一緒に飲もうと誘われる。

・それを快諾するカズレーザー、同じ席に座りながら上司らしき人と会話を始める

 

カズ「皆さんの会社はどんなお仕事されてるんですか?」

上司「医療機器を海外から輸入してるんですよ」

 

…ここまではまあ、普通の会話ですよね。

普通なら、ここで「そうなんですねー」で終わってもいいわけです。

 

しかしカズレーザーは続けます。

 

カズ「医療機器ってどんなものですか?」

上司「…有名なものだとMRIとか、レントゲンとかですね」

カズ「そういうのって、海外から輸入するものなんですねー」

上司「ほとんどは輸入ですよ」

カズ「そうなんですね!

 

…一つ目の、医療機器どんなものか詳しく聞くのはまだわかります。

二つ目は「販路に関する感想」です。

この感想がパッと出たのを見て、ああ、この人は本当に知的好奇心が強い、知識欲の旺盛な人なんだなと思いました。

おそらく彼のなかの常識では「医療機器のような精密機械は日本製が強い」というざっくりしたものだったのでしょうけど、上司の人が言ったことが少し異なるから、それが意外だったと感想をぶつけているんですね。

大抵の場合、医療関係者でもなければ医療機器が国産だろうが海外産だろうがどっちでもいい、関心がないと思いませんか?

だけどカズレーザーはそれを「へーそうなんだー」で終わらせずに、反射的に掘り下げているんですね。

 

 小さな違和感を、見逃さない好奇心

これは、普段から読書をしたり、いろいろなものに興味を持っている人の特徴だと思います。

何かを新しく知ったときに「あ、不思議だな」「あれ、何かヘンだな」と感じる。

その小さな違和感を逃さずに、すぐに確認したくなる

それを熱いうちに=関心があるうちに確認することで、新たな発見や知らないモノの見方が手に入ることを経験的に知っているからですね。

そういえば某コンサルのパートナーは、何かある度にマメに辞書を引いてましたけど、カズレーザーの即レスはあの感じに近いです。

 

カズレーザーのセリフ自体はごく普通の会話の流れに見えますし、相手に話を合わせる気遣いの質問ともとれます。

ですが、会話を合わせるだけならこの上司の趣味やら好きなテレビやらでいくらでも話は広げられるでしょう。何しろ芸人さんですから、接待トークなんてお手のものです。

なのに、「医療機器を海外から輸入している」なんていうほとんどの人が通りすぎてしまう情報にに反応してるところがスゴいのです。

どんなことでも知っておこうという、知的好奇心が強い人特有の振る舞いですね。

 

彼がアメトーク「読書芸人」に選ばれるのも分かる気がします。ファッションではなく、本当に読んだり、知ったりすることで世界観が変わったり、自分の常識が少し変わったりすることを楽しんでいるのでしょう。

 

ドッキリ番組の、ほんの数秒の会話でしたが、彼の知的水準の高さが伺えたエピソードでした。

おそらくですけど、カズレーザーは物凄くコンサルにも向いている人だと思います。

 

→そんなカズレーザーがコンサルに向いてる理由はこちら

次の登場も楽しみですね!

映画「ナイトクローラー」感想~意識高い系の行き着く先は。

映画

意識高い人を嘲笑うかのような映画です。

この映画の主人公は、分かりやすいほどのサイコパスです。

「仕事は責任を持って遂行すべき」
「ライバルは排除すべき」
「会社は利益を追求し、つねに規模拡大を志向すべき」…
言ってることの一つ一つは、さほど変なことを言ってないんですね。

行動原理は間違ってないのに、その結果は鬼畜の所業になってしまっている。

主人公は努力家で、「自分はこれらをビジネス・セミナーで学んだ」と力説します。
いわば、「意識高い人」です。

でも意識高い行動を積み重ねると、そこにはライバルの事故死体や不法侵入や、事実の捏造、窃盗、セクハラが積み重なっていく。
面白い逆接だな、と思います。

まるで、今も自己啓発だのに必死になる我々の行き着く先がこうだと言われているような、そこはかとない不気味さがあります。

世の中のビジネスマンは、主人公の成り上がりストーリーに多少は共感するはずです。
そこには、結果への飽くなき努力と追求、そして分かりやすい成功が描かれているから。
そして共感すると同時に、居心地の悪さを感じるでしょう。
そこには他人を省みずに成功を求めることのグロテスクな結果が横たわっているからです。自分もどこかで、無自覚にこんなことをしでかしているのでは?と思わされるからです。

この矛盾をうっすらと感じるからこそ、この映画を観る働き手は、主人公をクズだとバカにすることも、尊敬することも出来ない宙吊りを味わいます。

 

極めて現代的な主人公設定と言えるでしょう。
島耕作なんか読んでるよりも、よほど今のサラリーマン、フリーランスの生きづらさと居心地の悪さ、そして自らの意思で状況を打開するサバイバルの面白さを描いていると思います。

意識高い自分を笑い飛ばせる、ビジネスパーソン映画です。
コンサルみたいなプロフェッショナル職の人や、フリーランスで生き抜こうとしてる人には必ず刺さる何かがあるはずです!

 

ナイトクローラー(字幕版)

ナイトクローラー(字幕版)

 

 ↑私はAmazonビデオで仕事の合間にサクッと見ました!

 

(おまけ)
そして画面全体を支配する、アメリカの美しい夜の描写だけでも見る価値ありです。


『ナイトクローラー』特別映像


このオープニング観た瞬間に、「これは絶対に面白いヤツ!」という予感があり、まさにその通りでした。

漫画「そせじ」(山野一)感想 ~泣けた!半額焼きそばに子供は親の愛を見る

漫画

漫画家山野一の、いわゆる子育てコミックです。伝説の漫画「四丁目の夕日」で見せた凄惨・残虐な描写はなりをひそめており、
昼間から酒を飲む父(でも面倒見はいい)と、素直な双子のおりなす、ハートウォーミングな家族の点景が描かれます。

 

そせじ(1)

そせじ(1)

 

 

そんななか、ある小さなエピソードが目を引きました。起こったことは単純です。

・父(作者)がお祭りで売れ残りの焼きそばを二つ買うと、双子は多いに喜ぶ
・だがそこに双子の大事な親友がいたため、父は焼きそばの一つをその友達にあげてしまう。
・すると双子のうち妹が不機嫌になり、やがて泣き出してしまう。
・つい先程も、貴重なおやつをこの友達に分けたばかりで、そのときは何も言わなかった妹が、焼きそばを失ったことでは多いに泣いている

 

起こったことはただこれだけです。
おやつは分けても平気だけど、焼きそばを友達にあげてしまったことが、妹にはなぜそんなにショックだったのか。

妹は泣きながらその気持ちを父に語るのです。

妹「たべものは お友だちにわけてあげなくちゃいけないってしってるよ
だからさっきニクピック(※ジュースのこと)をあげてもおこらなかったでしょ

ねずみこく(※ディズニーランドのこと。友達に自慢されたばかり)にいけなくてもいいんだよ
おとーちゃん、いつもなんも買ってくれないでしょ」
父「うん」
妹「でもあのやきそばはおとーちゃんがかってくれたんだよね」
父「半額の半額の半額だったからね」
妹「だからハナちゃんとミミちゃんだけで食べたかったんだよう」
父「そーかー」
妹「だってふたごだけがおとーちゃんのこどもだから」

…焼きそばは滅多にものを買ってくれない父親が自分のために買ってくれたものだった。だから、それは大事な友達にもあげたくなかった、というわけですね。
大人からすれば、「なんだ、そんなことか」となってしまいそうな、ささやかな理由です。

だけど子供にとっては、親が自分のために何かをしてくれたことがこんなにも大きなことなんですね。
子供はいつか、親の愛なんてあって当たり前のように振る舞います。
でも小さい頃は、半額の焼きそばでもそれが嬉しくて、誰にも渡したくない時がある。

 

公園の片隅でかわされた、本当に些細な会話なのに、正直ちょっと泣けてしまいました。

…でもこの妹の話を聞いていた双子の姉は、あっさりと「なに言ってるのかぜんぜんわからない」と一蹴します笑


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引用元「そせじ」第二巻より

このあたりの子供同士の感覚のズレもリアルだなーと。

これ以外にも、読んでて楽しくなるエピソードがたくさんあるので、かなりオススメです。とにかく双子がかわいいです。

 

そせじ(1)

そせじ(1)

 

 今のところ二巻まででてます。

 

四丁目の夕日 (扶桑社コミックス)

四丁目の夕日 (扶桑社コミックス)

 

↑伝説的なカルト?漫画。

三丁目の夕日を思わせるタイトルながら、一人の青年の凄惨な生活を描写します。

個人的にはグッドエンドだと思っています。小さな幸福の予感だけを残して終わる、綺麗なラストでした。

消費者に聞け!Makuake×常陽銀行の提携の意義

イノベーティブなニュース

フィンテックといえば与信管理みたいになりつつありますね。

与信管理の場合は、新規事業として重要な「どんなパートナーにどんな力を借りるか」が明快だからだと思います。

www.makuake.com

 新規事業ってけっこう自前主義に陥りがちなんですよね。

じゃあM&Aでどんどんリソースと売り上げ拡大だ~とするのは一見簡単そうで難しいです。資金力、目利き力、そして合併・提携後の統合する力が問われるからです。

だから多くの企業は、パートナー=提携先から力を借りることで、新規事業を成り立たせようとします。

コア業務をアウトソースする意義

それにしても、銀行にとって与信とはコア中のコアの業務ではなかったのでしょうか。

銀行に対する悪口は多々ありますが(人の情けもわからない、企業の潜在力も見抜く洞察力もないサラリーマン、というイメージって半沢直樹とかも元凶ですね)、銀行員の一人一人は結構きちんと企業を、そして社長や専務のスキル、人柄をきちんと見ているものです。

以前、某地銀の方が、とある貸付(財務状況は△な会社)を評して、「社長に貸しているというよりは、あの人を支えてる奥さん(専務)の接客スキルに貸しているようなもんだね」とおっしゃっていたこともあります。

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(こんな人だけではありません・・・)

財務状況や従業員の体制、トップの資質を総合的に判断し、「与信」をする…すなわち、貸倒るリスクをとってお金を貸すという、銀行にとってはアイデンティティーに等しいコアの部分ですね。

上記プレスリリースには、クラウドファンディングで調達できた額と同額を融資するとあります。

クラウドファンディングでの資金調達額(100万円以上・500万円以下に限り、最高融資額は500万円)と同額をクラウドファンディング終了後に融資することが可能となる、国内の金融機関で初めて施行される制度となります。本制度により、常陽銀行は企業に対する一般消費者の反応に根ざした融資をすることが可能となります。(上記URLより)

これはつまり、銀行が事業の目利き部分(サービスニーズのありやなしや)について、外部の基準を導入することと言っているわけです。

サービスの目利きは消費者にしかできない

これは、いくら銀行でも事業性の判断に限界があると認めているわけですね。

確かに昨今のベンチャー百花繚乱のなか、ヒットするのかしないのかさっぱり判断できないサービスはたくさんあります。

それを「こんな珍奇なサービスがヒットするとは思えません」といって融資せず、他行が融資して大ヒット&優良顧客化なんてしたら目も当てられない。

別に銀行に限らず、コンサルティング会社も、ベンチャーキャピタルも、あるサービスがヒットするかなんて全く分からないんですよね。(絶対ヒットしますよ!なんて言ってるコンサルがいたら、よほど自信があるか詐欺かのどちらかです)

 

だからこそクラウドファンディングは、新規事業のビジネスモデルの検証段階によく使用されているんだと思います。

イメージでしか語れないものに与信はできない

手間とお金を使ってそのサービスを本当に使うのか、消費者の心のひだに触れるサービスなのか、という点は、当のターゲット消費者本人でなければまったくわからないのです。

銀行員自身にも想像がつくサービスならまだしも、「20代女性をターゲットにした新しい有効成分の入った超高級美容液を提供する店舗経営」(例)なんて言われても、この世にないものですからイメージでしか語れません。

つまり「そんなの誰も買わんでしょ~」「うちの奥さん(※事業のターゲット外)に聞いたけど、そんな高いもん買わんって言ってましたよ」なんてネガティブな会話になる。

そして、イメージでしか語れないってのは一番危険なんですね。

じゃあアンケートとるか、といっても、この世にないものを「買う」という回答が多かったからと言って実際に買うかはわかりません。

 

ところがCFの募集者はお金と申し込みの手間の両方を支払ったうえで、そのサービスに興味を示している。すなわち、サービス成功の確度が高く、融資実行および回収の確立が上がる。ここでは見込み顧客獲得と、与信の両方が一気に解決しているんですね。

本提携は、銀行の与信というコア業務を「消費者に聞く!」という視点から外部化するという意味で非常に意義深いものと考えます。

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今後のクラウドファンディングは増えるだろうけど・・・

今後もクラウドファンディングそのものも拡大するでしょうし、クラウドファンディングをベンチマークにしたこの記事のような関連サービスも増えることでしょう。

懸念事項があるとすれば、このクラウドファンディングという形式それ自体が何らかのテクニックやスキームでジャックされる・悪用される可能性があるのではというものです。

ただ、そこは集合知のごまかしの利かなさでカバーされるかと思います。

 

今後、成功事例・失敗事例多々出てくるかと思いますがしっかり見ていきたい業界ですね!

 

国交省のモーダルシフト施策は新規事業の見本!

イノベーティブなニュース

国土交通省と海運…というと、何だか遠い世界のイメージですし、イノベーションという印象もあまり感じられませんが、それを覆すようなニュースです。

【海上輸送ガイド】平成29年度・海事局予算案 モーダルシフトを促進 新規荷主が利用しやすく | 輸送経済新聞社

ざっくり記事を要約すると、以下がポイントになります。

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記事のポイント…新規事業の見本みたい

・(概要)国土交通省は、モーダルシフトを目的とした新事業を進めている

  ※参考:モーダルシフトとは(内航海運新聞社)

モーダルシフトとは、トラックによる幹線貨物輸送を、「地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換」すること(上記サイトより)

・(施策の背景)トラックドライバーの慢性的な不足から今後の運輸が危ぶまれており、輸送の生産性向上を目的としてモーダルシフトの促進が進められている

(施策の内容)海上輸送に必要な情報の一括情報検索システムを構築する

・(施策の目的)新規荷主(荷物を送りたい人)が、陸上運輸ではなく海上運輸をもっと活用してもらうようになること

・(施策の解決課題)新規荷主にとって、海上運輸は陸上運輸と比べて「ダイヤや荷物の空き状況が検索しづらい」という課題があり、それを解消している

・(施策の実現手段)システム内容の検討→実証実験→最終的に民間運営で業界横断的なシステムを運営する

…なんだか、新規事業のお手本みたいな内容ですね。

解決すべき社会課題が明示されており、解決のための道筋も明快になっている。

「ビジネスモデルキャンパス」がしっかり埋められそうですね。

 

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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  • 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 大型本
  • 購入: 29人 クリック: 473回
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 (参考:ビジネスモデルといえばコレ、の名著)

今後の詳細化に期待!

懸念事項があるとすれば、プロセス面ですね。システム検討のワーキンググループに誰が出るのかとか、「民間運営でシステムを運営」はハードな入札合戦になりそうだけど、そのベンダー選定はだれがやるのか…とか。

今後追って詳細が公表されることを期待しています。

 

なんにせよ、大きな社会課題の解決にあたっては、どこかで行政と民間が組んでいかないといけないフェーズに行き当たります。

これが掛け声に終わらず、ぜひ根本的に解決したかったユーザー課題の視点からぶれずに検討が進んでほしいものです。

そして本当に荷主にとって使いやすいシステムになっていくことを望むばかりです!